吸入薬を「2つ」から「3つ」にすると、気管支喘息は良くなる?3剤吸入を大規模研究で検証
みなさん、こんにちは。最近、黄砂や花粉が飛びはじめましたね。
この時期は「咳が続く」「胸がゼーゼーする」「息が吸いにくい感じがする」「鼻水・くしゃみ・目のかゆみがつらい」など、呼吸やアレルギーの不調が出やすい季節です。みなさん、体調はいかがでしょうか?
今日は、「吸入治療を一段階強くする選択肢(3剤吸入)」がどんな人に役立つ可能性があるのか、最新の大規模研究(KALOS/LOGOS)をもとに、できるだけわかりやすくお話しします。
Papi A, Wise RA, Jackson DJ, et al. Budesonide-glycopyrronium-formoterol fumarate dihydrate in uncontrolled asthma (KALOS and LOGOS): twin multicentre, double-blind, double-dummy, parallel-group, randomised, phase 3 trials. Lancet Respir Med. 2026 Feb 12:S2213-2600(25)00457-6. doi: 10.1016/S2213-2600(25)00457-6.
「ふだんの吸入(2剤)をちゃんと使っていても喘息が落ち着かない人に、1本の吸入器で“3剤”にすると、息の通り(肺機能)や重い発作がどれくらい良くなるか?」を、世界規模で確かめた大型の臨床試験です。目新しい発見というより、これまでの知見を大規模試験でしっかり確認した内容です。
そもそも、気管支喘息の治療では、炎症を抑える薬(吸入ステロイド)と気管支を広げる薬(β2刺激薬)の“2つの働き”を1本にまとめた吸入薬が基本になります。それでも咳や息苦しさが続く方に対しては、“もう1種類、別の仕組みで気管支を広げる薬(抗コリン薬)”を追加した「3つの働きの吸入薬」が息の通り道を広げて発作を減らせるかもしれないといわれ、実臨床に応用されてきました。
今回のKALOS/LOGOSは、大規模な試験を2本行い、より実臨床に近い形で比較の工夫もしたうえで、コントロール不良の気管支喘息患者さんの「肺機能の改善」と「重い発作の減少」を示すことができました。簡単にいうと、たまたま、まぐれでいい結果が出たわけではなく、似た条件で2回とも同じようないい結果が出たので、“確からしさ”が一段強い研究と言えます。ただ、重い発作の減少に関しては、確実に3剤の方が良いとは言い切れない結果ですので(詳しくは割愛)、まだまだ議論の余地はありそうです。
「吸入を続けているのに、まだ症状が残る」「季節や風邪で悪化しやすい」など、コントロールが不十分な方では、治療の選択肢として“3種類の吸入薬”を検討したいと思います。ただし、すべての方に必要というわけではなく、体質や病状で向き不向きがありますので、症状や生活への影響をふまえて、最適な治療を一緒に考えていくことが大切です。
今回は、「吸入薬を3剤にする」という選択肢についてお伝えしましたが、実はその前に、効果を大きく左右するポイントがあります。それらは、また後日別ブログで紹介したいと思います。